What is Laugh
僕は完全に笑いについては素人なので、ここから先のことはすべて妄言であり、根拠もなければ言っている本人も自信がないという内容です。
というディスクレームをしてから始めようと思う。
笑いとは何か?を解説する時に次のような説を耳にする。
「笑いとは緊張と緩和であり、緊張が緩んだ時に笑いが発生する」
僕はこれは完璧な嘘だと思っている。
もしこれが本当だったら、ソナタ形式の展開部のクライマックスから再現部に入った瞬間に会場が爆笑に包まれることになるはずだが、まだお目にかかったことがない。
(そういう映像は普通に見たいので、誰か作ってほしくはある)
某氏が主張する「自分の安全が保証されている時に、タブーが破られる時に笑いが発生する」の方がまだ説得力があると思う。
漫才の形式をとっていると、タブーを破る際に実際にタブーを破るしかない。
これは近年リスクが大きいので、漫才の形式でも普通に漫才を行わず、別のルールを導入する例が多くなってきていると感じる。
が、詳しくないため、コントの例を出す。
コントはわかりやすく、まずルールや設定を提示して、その設定の中でタブーを破る。
多く見られるのが、特定の職業(お店や警察などが多い)を設定として持ち出す形式。
これは、文脈(=タブー)を説明しなくても観客に伝わるので、単純に時間的に有利なのでよく使われるものと思われる。
しかし、一般の観客に説明しなくても伝わる職業に関するタブーはそれほど多くないため、質や数でさほどアドバンテージがあるとは言い難く、爆発的にウケている例もあまり記憶にない。
次に個人的に多いと感じるのが、何かゲームをする例。
有名なゲームほど前述の理由で有利になるが、ゲームのタブーを破っても、ただのルール違反になってしまってはまったく面白くないので、これも実は質という面ではあまり得策ではなさそうに思う。
オリジナルのゲームを作ると説明に時間を使うので、なんとなく観客にルールを察させる形式が俄かに流行っている気がするが、これは客の質に大きく依存するので数の面では不利だろう。
解像度が高ければ高いほどタブーの数は増えるので、特定の人にしか伝わらないようなネタは、それ自体がタブー(=人に伝わらないネタを行う)に該当し、刺さる人には刺さるネタになる。
しかし、刺さる人にだけ刺さっても評価されにくいので、これまた扱いが難しい。
そういう意味では、江頭2時50分のように突然下半身を露出するとか、いきなり機材を破壊するとかはわかりやすいタブー破りだが、飽きられやすく放送もしにくいので扱いはさらに難しい。
となると、近年のお笑いは「いかに放送できる範囲でまだ誰も破ったことのないタブーを破るか?いかに短い間にたくさんのタブーを破るか?」というゲームと理解して良いだろう。
たとえば、ナイツの笑いは「紹介、解説をしている人が間違えまくる」というシンプルな物だが、その数が多いのとテンポが良いため受けている、と解釈できる。
ミルクボーイも似た構造で、相談を受けた側が相談者の意見を否定し続ける、というタブーを破っている。やはり数が多いこととテンポが良いことが大事なようだ。
逆に、野生爆弾の「ステージで黙って何もしない」などは、黙っている間タブーを破り続けているためウケた、と捉えることができる。が、テンポが悪いため、大衆にはウケない。
そう考えると「たくさんタブーがあって、文脈があらかじめ共有できているもの」を題材に選ぶのが有利そうだ。
個人的には神事か結婚式が有利なのではないか?と思う。
多分多くの人にとっての大好きなネタが、そのどちらかにあるのではないか。
突然何を言い出したんだ?と思われそうなので、この辺で終わる。